高価薬の祭り

世間では最近のトップニュース安倍総理トランプ大統領とゴルフしたときに派手に転んだと思いますが、製薬企業では高価な薬がどんどん出てくることが注目されています。

今月の15日に薬価3349万円白血病治療薬「キムリア」が国内での健康保険が適用されることに続いて、24日にアメリカで遺伝子療法「ゾルゲンスマ」が承認されました。その薬価はなんと2億3000万円

これは日本で給料のいいトップ500社の平均生涯年収である2億1803万円を超える数字です。そこそこのいい会社で一生働いても薬を買えないほど、なぜそこまで高い?

そもそも薬という化合物が人に効くかどうか、人のどの部位にどんな効果をもたらすのを教えてくれる人がいないため、シードという「薬の種」から薬になるまで動物実験を通して様々な改良が必要で、莫大な費用がかかります。

動物実験が合格したら、今度は人に薬の安全性や有効性を確かめるために治験を行われます。日本で治験をするには一人あたり800万円がかかります。そして承認するには何百人から千人以上のデータが必要で、総合的な成功率はおよそ0.003%ほどと言われます。

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薬の開発から上市するまで十年以上、開発費は数百億-千億のお金と強運が必要です。

一般的に新薬の特許は10年ほど続き、「黒転」するまで4-6年かかります。ようやく利益を出せると思った矢先に、特許が切れたら後発品が作られ、元の薬がほとんど売れなくなるという残酷な事実。数年分に渡った利益は社員のお財布に収めるではなく、新薬開発の再投資に回されます。加えて「Unmet Medical Needs」の数が減る一方のため、新薬の開発は日々難しくなっています。

以上のことを抱えて、いまだも人の命を助けたく一生懸命新薬を開発している人がたくさんいます。将来のあたな、もしくは愛する人を助ける薬のためなら、今のが高くてもしょうがないですよね?